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遺ラスト〜被災された皆さまへ

 東日本大震災の発生から半年が過ぎました。改めて、被災された皆さまに心よりお見舞い申しあげます。

 被災地を訪れてボランティア活動などで少しでも復興のお手伝いをしたいという思いは抱きつつも、家庭の事情などあってなにもできないまま半年たってしまいました。今後も大阪を離れての活動は難しそうなので、大阪にいながらにしてなにか被災された皆さまを励ますことはできないかと考え、ひとつの活動をはじめることにしました。

 それは「遺ラスト(い-ラスト)という、簡単にいえば「イラストで遺影を描く」という取り組みです。

 震災後、被災地からのテレビ中継のなかで、家を津波で流されてしまった男性が「写真も思い出もみんな流されてしまった」と泣き崩れる姿を目にしました。いろいろ思いを巡らすうちに、津波で命を失った方の中には、遺影にできるようなきれいに写った写真がないというひともいらっしゃるんじゃないだろうか。だったらぼくがせめてイラストで遺影を描いてさしあげられないか、という考えがもとになっています。

 遺影の有無にかかわらず、あまりにも突然の衝撃的な最期を、いまだに受け止められないという方もいるんじゃないかと思います。そういった方たちの心を、ちょっとコミカルな遺影イラストでほんの少しでも癒すことができたらと考えています。


 ぼくは5年前から「ウェルカム坊主」という結婚式用の似顔絵ウェルカムボードをオーダーメイドする仕事をしています。単なる似顔絵ではなく、新郎新婦のプロフィール、なれそめ、思い出、失敗談、趣味嗜好、その他さまざまなエピソードをききだしてイラスト化し、超オリジナルなウェルカムボードを制作しています。

 ウェルム坊主バナー

 今回はそのノウハウを最大限に活かし、そのひとらしい表情、ポーズ、シチュエーションで、そのひとならではのアイテム、フレーズをちりばめながら、見るひと誰もが笑顔とやすらぎのなかで故人を偲ぶことができるような遺影イラストに仕上げていきたいと思っています。


 じつはこのアイデアは、もともと一般の方向けにウェルカム坊主と同様の有料サービスとしてご提供するつもりでした。しかし、故人を描くということに対してなかなか決意が固まらず、約3年どうしようかと考えていたものです。

 このたびの震災でようやく踏ん切りがつき、ぼくなりのボランティア活動として、被災者の皆さまを対象に無償にてご提供していきたいと思っています。いったいどれだけの需要があるかわかりませんし、なかには不謹慎だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もしこういった活動が少しでもだれかの役に立つならばと思い、ここに表明いたします。

 ぜひ描いてほしいという方は、一度メールにてお問い合わせください。タイトルを「遺ラスト」としていただけるとありがたいです。また、お知り合いに震災で亡くなられた方のご家族などいらっしゃいましたら、このサービスについてご紹介いただけたらと存じます。


 サンプルとして、自分自身をモデルに1枚描いてみました。

 バイクをはじめとした趣味・仕事等で愛用の品々、背景には出身地のさっぽろテレビ塔と、いま住む大阪の通天閣、座右の銘的なことばと名前を入れてみました。イラストのタッチはウェルカム坊主のサンプルもご参照ください。

 元データはハガキサイズのPSD(フォトショップ形式)で、JPEGなどの各種形式に変換可能です。サイズ、データ形式、納品形態等につきましては、可能なかぎりご希望にそえるようにいたします(内容によっては費用負担をお願いする場合があるかもしれません)。

 制作にあたっては、写真(携帯写真、集合写真などでもかまいません)と合わせて、故人にまつわるエピソードをできるだけくわしくおきかせください。写真が粗い場合は、メールでのやりとりを繰り返しながら修正を加えていきます。メールのやり取りは、フリーのアドレスや携帯メールでもかまいません。

 なお、東日本大震災に限らず、近年のさまざま災害で亡くなられた方も対象にしたいと思っておりますので、ご希望の方はどうぞお問い合わせください。

 この活動に対する、ご意見、アイデア等ございましたら、コメントください。また、こういった趣旨に賛同して、いっしょに活動してくださるイラストレーターさん、似顔絵作家さんなどがいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。

追記(2011年10月7日)
 サンプルとして【遺ラスト】Steve Jobsをアップしました。

追記(2011年10月13日)
 ぎょーじよしあきさんが当企画に参加していただけることになりました。

追記(2011年10月26日)
 【遺ラスト】モンローウォークをアップしました。
├ 遺ラスト | 2011.09.12 Monday 08:45 | comments(7)
コメント
「自分ができることをやる」というのを口で言うのは簡単ですが、これまた人間なかなか難しいものです。
そして実行できるこぷしさんは素晴らしい。
2011/09/12 1:43 PM | ふれん
まだ実行はしてないですけどね。

見ず知らずの絵描きにはなかなか頼みにくいと思うんですけど、気軽にご依頼いただけたらうれしいです。
2011/09/12 3:27 PM | にぎりこぷし
にぎりこぶしさんの決意に敬意を表します。
私は父と母を病気で亡くしましたが、悲しみに沈んだ後に思い起こす両親の姿はいつも、笑っている顔です。本人にとっても家族にとっても辛い闘病生活でしたが、今、私の心のなかでは笑っているんです。震災で突然に大切な人を亡くした方にとっては、もっと悲しく、辛く、悔しいことだったと思います。でも、悲しみの先にあるのは、愛していたこと、愛してもらったことへの感謝であることは同じであると思っています。そういった姿をにぎりこぶしさんの素敵なイラストで形あるものとして残せることは素晴らしいことだと思います。
「遺ラスト」サービスが震災や災害以外の人にも開始されるのであれば、オーダーさせていただきたいと思います。もちろん、有償であることは承知しております。
2011/09/12 7:15 PM | じじる
そんなふうに声を上げてくださって
ありがとうございます。

亡くなった愛しい人を、思い出や、人となり
と一緒に画面の中に楽しく蘇らせることは
写真にはできない素晴らしいマジックです。

敬礼。
2011/09/12 8:42 PM | kamo
>じじるさん
一応いまでも、ウェルカム坊主の番外編的にお引き受けすることはできるんですけどね。思い出を代弁するように描くのは、ちょっと覚悟がいるよな、と思いつつ。

>kamoさん
ただ写実的なだけの絵じゃつまらないよな、とは常々思ってます。写実的に描けないだけですけど……。
2011/09/14 3:03 AM | にぎりこぷし
メール拝見しました。
以前、ウェルカムボードを作成して頂きました。
今も大切に飾っていて、時々眺めては結婚式の事を思い出したりしています。

遺ラスト、とても素晴らしいお話だと思います。
遺影って暗い印象もあるのですが、カラフルな遺ラストがあったって良いと思います。
2011/09/15 12:58 PM | kumiko
ウェルカムボード同様、つくる過程で、思い出を集めて会話の機会が生まれることが、大事なんじゃないかあと思います。そうすることで、できあがったイラストを見るたび、楽しい思い出が蘇ると思うので。
2011/09/16 5:35 AM | にぎりこぷし