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自分をしつける

 ぼくの血液型は、大雑把なことでおなじみのO型であるが、意外と神経質である。
 例えば、食事のときに、息子がテーブルになにかをこぼすと、それを即座に拭き取らないと気がすまない。ごはんひと粒、みそ汁1滴でも気になってしまう。

 そんな父の姿を見ているせいか、彼もまた神経質なO型なのか、息子もなにかをこぼすと、すぐにティッシュを1枚引き出して、拭き取るようになった。おかげで、食事が終わるころには、テーブルの上にティッシュの山ができあがる。(これはこれで問題であるが、そういう話ではない)

 こどもは親の背中を見て育つというが、背中だけではない、全身くまなく観察している。親の何気ない行動を、柱の影から家政婦のように覗き見ては、目を丸くして学習しているのだ。

 そんなわけだから、いくら、これをしなさい、あれをしなさんなと口うるさく言っても、親が実践できていないことを、こどもに身につけさせるのは難しい。しつけの難しさとは、たぶんそういうところにあるのではないかと思う。

 ならば、こどもをしつけるという概念を捨ててしまえばいいのではないか。親を見てこどもが育つなら、こどもにこう育ってほしいという人間に、親自身がなればいい。親が自分自身をしつけることは、こどもをしつけることと限りなく同義ではないだろうか。

 ぼくはこどもにおもちゃの片づけをさせない。と言うと語弊があるが、まず、こどもがおもちゃで遊びはじめると、できるだけそばに行っていっしょに遊ぶ。これは、ただ単にそうしたいからだ。いっしょに遊ぶときは、できるだけ童心にかえって無邪気に遊ぶ。はちゃめちゃに散らかしまくる。これはぼくの本能が自然とそうさせる。

 フとわれにかえり、そろそろ寝る時間だ、ということになれば、ぼくは息子に、さあ寝よう! とひと声かけて、どんどんおもちゃを片づけてしまう。

 おいおい、親が片づけちゃったら、しつけになんないだろうって思うでしょ。でも、そんなことはない。ぼくがひとりで片づけていると、息子は、は! おれも片づけねば! と焦って片づけはじめるのだ。ふたりで遊んだのだから、息子だけに片づけさせるのはおかしいし、また、ぼくだけが片づけるのもおかしい、というわけだ。

 親が先回りして、たくさんの正しい、好ましい、こうあってほしいという材料をバラ撒いてやればいい。こどもは、ヘンゼルとグレーテルのように、バラ撒かれたビスケット(だったっけ?)を辿って、ついてきてくれるはずだ。そして、こどもを正しい方向に導くためには、親は正しいところにいなければならない。

 ぼくは、30年間はちゃめちゃだった箸の持ち方を、今年矯正した。音楽やインテリアに興味をもちはじめたことにも、こどもにいい影響があればいいなという思いが少なからずある。

 今後もぼくは、どんどん自分をしつけてゆく。それは息子のためでもあるし、また自分自身のためでもある。当面の課題は、人前でオナラをしないことだブー。
父なる日々 | 2007.03.14 Wednesday 04:48 | comments(14)
コメント
はじめまして。なんだかとても同感だったのでコメントしました。
うちもオットも4歳の息子には「人の話を聞く時は目を見なさい」ととても正しいことを言っていますが、私も話を聞く時はほぼ必ず目はあさっての方向を向いています。
かくいう私自身も、食事の前にお菓子はダメと言いつつ子供に隠れてこそこそチョコレートをかじっています・・。
まあ子供たちも、人様に迷惑をかけない程度なら多少いい加減なほうが楽に生きれると思うのであまりガミガミ言わないようにしています。
2007/03/14 6:45 AM | みん
いや、本当におっしゃるとおり。
子どもをしつけようとすると、
「その前に自分の自堕落ぶりをどうにかしなくちゃ」って思いますよね。思うだけですが。
実際にやってるにぎりこぷしさんてエライと思うです。
2007/03/14 8:41 AM | 六郎
う〜。心臓痛いッス。
親子間ではもちろんですが、そうじゃない場合にも
充分共有できる部分が多々。
相手が大人な場合は、子供みたいに素直じゃないから、自分が苦しむかもしれないけど、
相手に変わって欲しければまず自分からってのは
永遠の課題です。
 ちなみに自分は几帳面じゃなければいけないA型で、あてはまらなすぎで大弱りです。
 自分の周りのO型の人たちの机の中と机上はすんごい綺麗です。
2007/03/14 2:22 PM | kika
上手な子育てだと思います。( ^ω^)
大体において、2・3歳児に方付けをしろと言ったところで理解しませんからね。
今に時期には可愛がるだけ可愛がり、健康にだけ気を使ってあげれば宜しいかと。
可愛がられていることを自覚して成長すれば、自ずとお心も成長しますからね。
嗚呼、子育てって親育て(´Д⊂
2007/03/14 4:44 PM | Teke−Teke
すばらしいですねー。
そうは思っていてもついやってしまうものです。
いろいろと。私も箸の持ち方を直さなければ。
そして、うちの息子が一日中おならをしているのも、やっぱりところ構わずおならをする
旦那の影響なのでしょうか・・・
2007/03/14 11:45 PM |
自分は子供いませんが、なんかめちゃめちゃ勉強になりました・・・・今回の文章コピペして残しておこうかな・・・
2007/03/15 12:24 AM | 記号士
残念ながら今の時代、親自体が首を傾げたくなるような行動をしている方が多いですよね・・
なので、これを読んでとても勉強になりました。
また、箸の持ち方もご自身矯正されたとのこと・・とても素晴らしいことと思います。
私自身、箸の持ち方は厳しく教えられたので、口には出しませんが、どうしても周りの方の持ち方に真っ先に目がいってしまいます(苦笑)
これからもこのHPでいろいろ勉強させていただきますね。
2007/03/15 8:50 AM | ここん
育った環境が云々という話を耳にすることがありますが、それはつまり、親をはじめとしたまわりの人間の価値観ということじゃないかな。しつけとは、つまるところ価値観の伝授であって、単に親の言うことをきかすということとはまるでちがうものでしょう。


新たに「父なる日々」というカテゴリをつくって、父としての苦悩を綴った文章をまとめました。過去にメルマガなどに掲載したものも転載してます。
2007/03/15 9:57 AM | にぎりこぷし
自分はまだ独身で子供もいないのですが、しかし先日「最近の小学校では“知らない人に挨拶するな”と指導している」という驚くべき記事を読み、教育とは躾とはなんなんだろうと考えていたところ、こちらの記事にめぐり合いました。そして「おお!!まさにこれが理想だ!!」と目が覚める思いがしました。
いつになるかは分かりませんが、自分に子供が出来た時の為、この記事の内容を忘れないようにしようと思います。
素敵なお話、有難うございました!!
2007/03/15 1:39 PM | 麻吉
その話をきいたときには、ぼくも愕然としました。

こんな世の中にだれがした、ということばを耳にすることがありますが、なんのことはない、自分も含めた今を生きる人間全員で世の中を形作っているのです。

こどもにあいさつを禁じることは、犯罪というものに対して、対症療法的な効果があるかもしれませんが、一方で、こどもを正しいおとなに育てることを諦めているふしがある。教育の放棄であると言っても過言ではないでしょう。

そうやって育った彼らがおとなになったとき、世の中の状況は今よりもいっそう悪くなっていることでしょう。そのときもまた、こんな世の中にだれがしたと嘆くつもりなのでしょうか。
2007/03/15 2:00 PM | にぎりこぷし
はじめまして。どさんこ・東京在住2児の母です。

子は鏡...とよく言いますが...お話耳が痛いです。
はい。口うるさいだけのダメ母です。
おまけに にぎりこぶしサンがおっしゃってる事を主人に言われ「るせー!ならお前もやれ」と悪態をつくダメ妻でもあります。(恥

「こどもにこう育ってほしいという人間に、親自身がなればいい。」
あぁ...ちゃんと心に刻み帰ります。ありがとうございました(はぁと
2007/03/15 6:07 PM | Me
初の書き込みです。
いつも楽しく拝見させていただいています。

今回の記事。まさにおっしゃるとおりですね。
自分ができなかったことや夢を子供に託す的な部分もあって、あ〜しろ、こ〜しろとうるさくなっているようにも思えます。
(自分は一人身なので、本当の意味で実感はないのですが・・)
2007/03/15 10:17 PM | M
育児=育自、そう思ってます。
小学生と1歳児の母です。
今時の親は、なんて言われがちですが、私の周りのお母さん達は、みんな同じように子供の事で笑顔をもらい、悩んでる。
その悩みは、大きくなるにつれて子供の成長が速過ぎて着いていけない自分への苛立ち。
小さい頃は親が基本だったのが、小学生にもなれば小学校という社会からの影響が多いから。
例えば自分の子供は上の子だったりしても、友達は下の子。
そうすると上級生であるお兄ちゃんやお姉ちゃんの影響が凄い。
え?3年生で??、そんな事を思ってしまう考え方や言葉遣いを友達がする。
それを覚えてくる我が子。
そんな時に思う事は、子供だけでなく親も、地域の方やお母さん友達と情報交換しながら自分を成長させていかなければなと思います。
子供より、一歩先を成長していかなければなって。
大きくなるにつれてどんどん難しくなりますが、そう思わせてくれてる子供に成長させてもらっているのだと、思います。

2007/03/19 12:32 AM | はみるとんさん
はじめまして。
初めての書き込みです。
にぎりさんとお子様のやりとりがとてもほほえましくて、えにきは特にチェックしております。

今回の、「自分をしつける」という内容は、とても心打たれました。
年上の知り合いの方が、「子どもは勝手に育つからね」とおっしゃってた話を思い出して、「そっか、子供はどん欲に学んでるんだな」と、その姿勢に気を引き締めなきゃいけないなと考えさせられました。

どうもありがとうございました。

まだ、私は結婚もしていないので子育てと言うものがハッキリしたイメージはないのですが、子供から多くのコトが学べるのだなと、にぎりさんのエッセイを見て感じます。
これからも、書き続けて下さい。
2007/03/20 10:28 PM | ユーイ