ミケと寝損とスパゲティ童貞
『ミケと寝損とスパゲティ童貞 サクラの国の日本語学校』という変な名前の本のイラストを描きました。著者である佐々涼子さんの日本語学校での体験をもとにしたエッセイです。
ミケと寝損とスパゲティ童貞
佐々 涼子
ミケと寝損とスパゲティ童貞
佐々 涼子
この本には22本のエピソードが収録されているのですが、世界各国から日本にやってきた外国人たちが巻き起こす珍騒動がとにかくおもしろい。それでいて、読み終えると妙にせつない思いに駆られるのは、祖国を離れて暮らす外国人たちが抱えるそれぞれの複雑な事情がエピソード全体を怪しく包んでいるからでしょうね。これ、連ドラにしたら絶対おもしろいよお。
そんなおもしろくてせつない各エピソードに、ぼくが4コマ漫画を付け加えております。それぞれのエピソードの最後にアナザーストーリー的に入っているのですが、元ネタがおもしろいせいか、正直これまでに描いてきた漫画の中で自画自賛度としてはナンバーワンのデキです。文章の余韻をぶち壊してしまっているような気もしないではないですが……。
そもそも、佐々さんから書籍用のイラストをお願いしたいとメールをもらったのが2006年の12月。かれこれ3年も前の話。見本原稿を何本かもらってそれをもとに1コマ漫画的なイラストを描いてほしいという依頼でした。
ふつうこういう仕事は編集者がするものだけど、なぜ著者じきじきに依頼してきたかというと、じつはその時点ではその原稿が出版されるかどうか決まっていなかったから。これから出版社に売り込みにいくので、インパクトがほしいからイラストを付けたいとのことでした。
本として出せるかどうかもわからない原稿に自腹でイラストを付けようなんて、ずいぶん熱心なひとだなと思いつつ、(仕事を選ばないタチのぼくは)さっそく引き受け、原稿を読んでみるとこれがおもしろい。
話がおもしろいうえに文章もまたうまい。その時点で佐々さんはすでにライターとしてお仕事をしていたので、うまいはずなんだけど。場面がありありと目に浮かんでくるおかげで1コマ漫画のほうはあっという間に描けてしまいました。
そんなぼくの漫画が役に立ったのかどうかは不明ですが、ほどなく見事出版社が見つかったとの連絡が入ります。ところがそこからが長かった。苦節3年。原稿は数えきれないほどのリライトによってブラッシュアップされ、ぼくの漫画も3コマ増えて4コマにスケールアップし、ついに完成と相成りました。
そんなわけで、まるで自分の本であるかのような想いをもって、この本の発売を迎えたのであります。なので、どうか買って!
それから、この本の誕生にも一役買っているのが「企画のたまご屋さん」という出版エージェント。そのノウハウが詰まった著者デビューマニュアルの決定版(帯より)『著者の素』という書籍の表紙にも小さなイラストをひとつ描かせてもらっております。
著者の素―採用される企画と出版社のしくみがわかる
中本 千晶
企画のたまご屋さんは本を出したいひとと出版社をマッチングする活動をしているNPO法人。持ち込まれた企画を登録している編集者にメールで一斉送信して本にしてくれそうな出版社を見つけ出すそうです。作家じゃない一個人が本を出すというと自費出版が思い浮かびますが、この時代に商業出版をターゲットにしているのがすごいです。
プロの作家が一生懸命書いても本が売れない昨今、こんな時代に売れる本はと考えたら、一部のひとに圧倒的にウケる専門性をもったものや、特異な趣味に関するものなのかもしれません。そう考えると、出版不況といわれてはおりますが、作家以外の一般のひとが本を出すチャンスというのはむしろ広がっているといえるのかもしれません。
そんな一般のひとが本を出すためのテクニックが多くの実例とともにぎっしり詰まった1冊となっております。本にしてみたいナニかをもっている方、ぜひ読んで参考にしてみてください。
そんなおもしろくてせつない各エピソードに、ぼくが4コマ漫画を付け加えております。それぞれのエピソードの最後にアナザーストーリー的に入っているのですが、元ネタがおもしろいせいか、正直これまでに描いてきた漫画の中で自画自賛度としてはナンバーワンのデキです。文章の余韻をぶち壊してしまっているような気もしないではないですが……。
そもそも、佐々さんから書籍用のイラストをお願いしたいとメールをもらったのが2006年の12月。かれこれ3年も前の話。見本原稿を何本かもらってそれをもとに1コマ漫画的なイラストを描いてほしいという依頼でした。
ふつうこういう仕事は編集者がするものだけど、なぜ著者じきじきに依頼してきたかというと、じつはその時点ではその原稿が出版されるかどうか決まっていなかったから。これから出版社に売り込みにいくので、インパクトがほしいからイラストを付けたいとのことでした。
本として出せるかどうかもわからない原稿に自腹でイラストを付けようなんて、ずいぶん熱心なひとだなと思いつつ、(仕事を選ばないタチのぼくは)さっそく引き受け、原稿を読んでみるとこれがおもしろい。
話がおもしろいうえに文章もまたうまい。その時点で佐々さんはすでにライターとしてお仕事をしていたので、うまいはずなんだけど。場面がありありと目に浮かんでくるおかげで1コマ漫画のほうはあっという間に描けてしまいました。
そんなぼくの漫画が役に立ったのかどうかは不明ですが、ほどなく見事出版社が見つかったとの連絡が入ります。ところがそこからが長かった。苦節3年。原稿は数えきれないほどのリライトによってブラッシュアップされ、ぼくの漫画も3コマ増えて4コマにスケールアップし、ついに完成と相成りました。
そんなわけで、まるで自分の本であるかのような想いをもって、この本の発売を迎えたのであります。なので、どうか買って!
それから、この本の誕生にも一役買っているのが「企画のたまご屋さん」という出版エージェント。そのノウハウが詰まった著者デビューマニュアルの決定版(帯より)『著者の素』という書籍の表紙にも小さなイラストをひとつ描かせてもらっております。
著者の素―採用される企画と出版社のしくみがわかる
中本 千晶
企画のたまご屋さんは本を出したいひとと出版社をマッチングする活動をしているNPO法人。持ち込まれた企画を登録している編集者にメールで一斉送信して本にしてくれそうな出版社を見つけ出すそうです。作家じゃない一個人が本を出すというと自費出版が思い浮かびますが、この時代に商業出版をターゲットにしているのがすごいです。
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